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Site icon imageこよみの絵置き場

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古代ローマ組

歴史創作から、古代ローマ帝国のネロとセネカ。

高校の歴史ではネロは出てきません。教育に悪いので…というのは冗談で、歴史に残るレベルの功績はないため。ですが、セネカは文化史の部分に出てきます。

そこから二人のことが気になり、タキトゥスという歴史家の書いた『年代記』という本(これも文化史に出てきます)を読んだ結果、このビジュアルができました。

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ね。若王と哲学者のコンビって最高。アレクサンドロスとアリストテレスも良いし全部良い。現代が舞台の作品でも御曹司・お嬢・お坊ちゃんと執事のコンビとか鉄板ですが、通底するものは同じな気がする。

この二人をざっくり説明すると、

“ネロが傍若無人で遊び好きな堕落した皇帝、セネカが理性的で悲観的な哲学者”

です。既に旨味がすごい。こんなのオタクが目をつけないわけがないでしょうが。

なお、絵ではいい感じにセネカも美青年っぽく描いてますが、史実ではネロの在位時セネカは既に結構おじいちゃんなので、まったくの夢だ。悪かったな。夢の話をさせてもらう。

キャラ解説

参考資料:『年代記』、塩野七生『ローマ人の物語』(多少偏見や色眼鏡が入っておりますので、正確に知りたい方は原典や他資料をあたってね!)

B.C.27年、古代ローマが共和国から帝国になって、そこから数えて5代目の皇帝がネロ(在位A.D.54-68年)。なんと16歳という若さで即位しています。

セネカはネロが幼い頃からの家庭教師でした。弁論術を教えたり道徳的な教育をしていましたが、ネロが即位して間もない治世初期、まだバキバキの善政をやっていた頃、セネカも大いにその政治を支えています。演説の台本書いたり政策を裏で考案したり。

この頃のネロは改革に励み、先代の政治に風穴を開けていて、かなり若き皇帝・期待の星!って感じ。

ところが、ネロは実母アグリッピナを暗殺したあたりから、徐々に“悪の統治者”としての側面が強くなっていきます。政敵を手にかけることに躊躇がなくなり、協力者も容赦なく裏切ったりしています。治世終盤、ローマの大火の際、キリスト教徒を厳しく迫害したことでも有名です。

また、彼の最大の悪癖が、贅沢・浪費・派手な遊び癖でしょう。体育祭や闘技などのイベントごとや宴会が大好きだったり、デッッケェ別荘を作ろうとしたりしています(結局未完成で取り壊された)。また、ギリシアの演劇や詩が好きで、舞台に上ったり歌ったりしていたようです。現代日本でいうと皇族がライブやりたい!って言うようなものですね。

当然、庶民は面白がって彼のことを気に入りますが、元老院の貴族たちからの評価は最悪です。

後世にネロの“暴君”イメージが定着した原因もここにあります。庶民は当時、歴史の記録を残せません。現在まで伝わる史料を書いているのは専ら貴族層ですから、まあ…悪名ばかりが伝わるのも当然よな。

この頃のセネカは政敵の暗殺にも協力し、ネロの政治を表からも裏からも支えることになります。ですが、やはり自身の教育が失敗したことを悟っていたのではないでしょうか。治世の終盤、彼を支えることに耐えきれなくなったのか、沈んでいく泥舟からは下りるのが賢明だと考えたのか、自分から隠退を申し出ます。

隠退後は広大な邸宅で穏やかに文章を書いたりして過ごしていたようですが、人間不信になったネロに大逆罪の疑いをかけられ、死を言い渡されます。

これのすげえ所は公然と死刑!とかでも秘密裏に暗殺!とかでもなく、“自殺を命じる”という宣告の仕方なところなんですよね…。私はこの“かつて仕えていた人に自殺を命じられて亡くなる”くだりがなんと山川の世界史用語集に載っていたので、見事に沼にハマりました。ドラマチックすぎ。ずるいだろ。

ちなみにネロは最後は元老院に疎まれて殺されます(結局自刃したにせよ)。因果応報やね。

キャラデザの話(※フィクション)

ここからは全部私の妄想なので、実在した人物や国家とは関わりございません。夢の話をします。

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名前のうっすら重ねてるローマ字の部分は、古代ローマの石板とかに刻まれてる文字のフォントをイメージした。

ネロくん。この絵は18から22歳くらいかなあ 髪色は暗めの金髪です。目は緑寄りの水色(この絵の文字の色)。

彫刻とか絵画から、ローマ人は短髪癖毛がスタンダードなイメージがあったためこのビジュアルに(まったくの偏見です)。もっと巻いてるとそれっぽいかも。これに月桂冠被ったら完璧じゃないか?

なので個人的にはカエサルとかも若干これ寄りのイメージなんだけど、彼は多分こんな性悪そうな顔してない。あともっと体がゴツい。

手癖で睫毛バサバサに描いちゃったけどいいや。色に溺れまくってるキャラは美形がいいので。

口調を公私で使い分けるタイプで、一人称が「私」で尊大な口調の時と、一人称が「俺」で落ち着いた・関係性によってはやや甘えた口調の時があります。

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セネカ先生。大体30代前半くらいすね(前述の通り、大嘘)。髪色は薄めの金髪。モカブラウンに近い感じ。目は青寄りの水色(この絵の文字の色)。

なぜ長髪かというと、私の好みだからです。以上。解散! 元々名前が日本語の女性名っぽいのと、あと哲学者の中でも捻くれネガティブ系なので、淑やかで暗めの長髪が似合う男性かなと思ったんです… あとこのビジュアルでネロくんとタッグ組んでたらえぐい良いので。キャラデザなんて全部欲望だよ。

意外と蓄財は好きなタイプだったようなので、外見も過度に質素寄りじゃなく少し美意識が高くてもいいかなと思います。

一人称は「私」で敬語。

今まで描いた中でもトップクラスに美形の顔が描けて非常に満足している。

他の文献とか読んだらまた何か追記すると思います。

あまり大きな声では言えないんですが、この二人のカップリング創作もしたいため、その話もどっかでするかも。最高だろ。これとこれが好き合ってたら。ただまあまあ暗い話になると思います。